イエス・キリスト降臨
とうとうこいつ暑さで頭をやられたか! そう思われるかもしれぬ しかし我あえてこのことを今ここに記す イエス・キリストは以前ホットトットクラブに御来店 正確に記するならイエス・キリストの生まれかわりなのであろう いや!間違いない彼こそが唯一の神イエス・キリスト
とうとうおかしくなったなったのか?
安心してくれ私はいつもどおりだ 「いやらしい」が「おかしい」わけではない 数年の前の事である寒い時期であったと思う いつものことだが閑散と私一人の店内に1人の男性が御来店 その時は何を注文されたかは記憶はないが多分赤ワインであったと思う それは当然のことであろうキリスト様である 以後イエス・キリスト口述を思い出すまま記す
一目見て明らかにこの界隈の大人ではない風貌 「どちらからお越しですか?」の私に問いに 生まれは沖縄であるけれど現在都内に住んでいる答え 第一印象から実に感じの良い普通の、ごく普通の あえていえば当店でよく見かける「ボン」のタイプである
「ボクはね昭和19年生まれで五人兄弟の末っ子なんだ」 むかしの話である兄弟が多いのは当然の頃の話である
「ところがねボクは昭和19年生まれなんだけどその頃ボクの父は戦争に行っていたの。だからボクは生まれちゃおかしいはずなんだけどハハハハハ」
「ボクのお兄さんは本当に優秀で国際的に活躍していたくらいに優秀で」
「今でも名前を出すと沖縄ではみーーーんな兄を知っている」
『処女懐胎』
なんでそんな告白を聞いておきながら 当時の私はそれが思い浮かばなかったのであろう?
その後もその男性の話が続く
「大学は中央大学、卒業してから仕事もしたんだ」
あの当時の沖縄はアメリカ、そこから都内の私立大学へ さぞ裕福な御家庭であったことは察する ところが変なのは彼の半生である 大学卒業後は沖縄に戻って仕事はしたと言っているわりに
まったく働いた形跡というか話が一切出ない趣味の話しばかりが続く
まあ働かないで遊んで暮らしている人は富山にもいる 驚きもしなかったが趣味のスケールが豪快なのだ
「アメリカ軍の軍港にフェンスを乗り越えて忍び込むと捕まるけど海からボートで進入したら平気なの。すぐそばまでボートを乗り付けよく潜水艦とかイージス艦を見に行った」
等々、まだまだ書ききれぬ書けぬことがあるけれど 趣味のひとつひとつがすごいのである 商売で成功され一代で財を成した様なタイプではない ギラギラやサクセスストーリが全く見えない典型的なボンボン 世に不思議な層がいるものだと思ったけれど
そこは頭の良い私であるすぐに不動産であろうことを察する 不動産と言っても国際通りのビルなどではない 『軍用地主』 軍用地主は沖縄には住んでいない 大地主になればなるほどみな東京に住んでいることは周知の事実である
そういう部分は軽く突っ込む私
「ハハハハハ」で終わる しかしそれ以上の政治的な話はしない しないというか何かそういうものと関係のないオーラがでていた ここが彼の不思議なところだ見た目は全くもって普通のオジサン 何と言っていいのか普通であるけれど何か不思議な人であった その夜の話は今でも時々思い出す
そしたら昨夜の「キリスト」死すのネットニュース
なぜキリストが富山へ?なぜにあの夜は当店をお選びになったのか? 私の不確かな記憶ならそれでもよい
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